【書評】新NISAで年間240万円の配当を目指す投資戦略|『究極の株式投資』レビュー【配当太郎】

書評

導入文

配当投資の人気が高まる中で、前作『年間100万円の配当金が入ってくる最高の株式投資』の実践編ともいえるのが、配当太郎氏による本書『新NISAで始める年間240万円の配当金が入ってくる究極の株式投資』です。

本作では、新NISAを活用した長期の配当戦略に焦点を当てつつ、前作から大きく進化した“銘柄選定基準”と“増配効果”がよりわかりやすくまとめられています。

この記事では、要点をまとめながら、実際に読んで感じたリスクや学びも含めてレビューしていきます。


1. 本の基本情報


2. 本の概要

本書は、新NISAという新たな制度を前提に、「増配株」を主軸とした配当戦略を紹介しています。
最大の特徴は、22銘柄に分散する“改良版ポートフォリオ” と、 増配の威力を具体的な数字で示した解説 の2つ。

また、投資判断に迷わないための“7つの基準(クライテリア)”が提示されており、再現性を高めた内容になっています。


3. 本の要点・学び

① 前作からの大きな進化:5銘柄 → 22銘柄

前作では集中投資がメインでしたが、本作では分散による安定性を重視した内容に。
22銘柄まで広げることで、業種リスクや個別企業の減配リスクを軽減しています。


② “増配の力”をより具体的に

今回の本は、増配がどれだけ資産を押し上げるかが数字で理解しやすく、前作より実践的。
単に高配当を買うのではなく、
「増配し続ける企業を持ち続ける」
という戦略の価値を実感できます。


③ 投資の肝は“銘柄選び”

著者が示す「7つのクライテリア」は、
自分の判断軸を持つことで投資のブレを減らす
という意味でもかなり有効。

納得できる理由がある銘柄だけを買う——
これはシンプルですが、長期投資において非常に大切な姿勢です。


④ “いつ買うか問題”:本当にいつでもいい?

著者は「売らないし、増配するのでいつでも買っていい」と述べています。
しかし、読者視点としてはここに違和感も。

  • 配当利回りは買値で決まる
  • 高値掴みは長期で効率を落とす
  • ただし、暴落を確実に待つのは難しい

この現実を踏まえると、
暴落に備えて現金を準備し、買う勇気を持つ
というのは非常に重要なポイントです。


4. 感想・レビュー

今回の本で特に良かったのは、
配当投資の「再現性」と「理解しやすさ」が前作よりも明確に改善されている点です。

  • 22銘柄への分散
  • 増配の効果の具体化
  • 7つのクライテリアという判断軸

これらのおかげで、読者が自分の投資戦略に落とし込みやすくなっています。

一方で、
「買うタイミングはいつでもいい」
という思想には注意が必要。
増配株であっても、購入タイミングによって投資効率は大きく変わるため、暴落時の買い増し戦略や待機資金の重要性は軽視できません。

総じて本書は、
“新NISA × 配当 × 長期”を考えるうえでの優れたガイドブック
と言えます。
引き続き、メリット/デメリットの両面から学びを深めていきたいという気づきも自然で、良い読書体験になる本でした。


5. こんな人におすすめ

  • 新NISAで配当投資を始めたい人
  • 配当金を長期で育てたい人
  • 増配株への理解を深めたい人
  • 投資の判断軸を整理したい人
  • 前作を読んで配当太郎氏の思想に共感した人

6. まとめ

『新NISAで始める年間240万円の配当金が入ってくる究極の株式投資』は、
新NISA時代の「増配株投資」への最適な入門書と言える内容です。

分散、増配、判断基準という3本柱に触れることで、長期投資をより現実的に捉えられるようになります。

👉配当投資をより深く理解したい方は、ぜひ一度読んでみてください。

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